2013年12月20日 (金)

職場におけるハラスメントとメンタルヘルスのシンポジウムで話しました

12月11日に、群馬県前橋市内で開かれた、群馬職域メンタルヘルス交流会の「職場におけるハラスメントとメンタルヘルスの枠組み」というシンポジウムで20分ほど話した内容の概略を掲載します。
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1. ハラスメント:相手に不快感(恐怖・不安・失望・不信・羞恥などの感情)を与えること。
2. ストレスの矛先が、自分と他人のどちらに向くか。他人に向く(原因や責任を相手だけに押し付ける)とハラスメント。
3. 部下から上司へのハラスメントもある。
4. ハラスメントの加害者を、上司や人事担当者が過剰に責めると、それが次のハラスメントになる。
5. 誤解(言い間違い、聞き間違い)がハラスメントの「種」になることがある。〈対話法〉で予防可能。
6. 同じ言葉であっても、ハラスメントと感じる場合もあれば、親しさ・熱心さと感じる場合がある。
7. ハラスメント対策は、予防(互いの信頼関係の向上)と当事者への支援がポイント。
8. 支援者としては、「問題解決のために、自分にできることは何か」を、自分と相手に問う姿勢が大切。

■相手の気持ちに配慮した対話
 相手との信頼関係を維持しながら対話をするには、相手の言葉・表情・態度に応じて、「反応型応答」(自分の考えや気持ちを言うこと)と「確認型応答」(相手が言いたいことの要点を、相手に言葉で確かめること)を適切に切り替えることが基本。 ※「反応型応答」と「確認型応答」は浅野による造語。
 通常は「反応型応答」で話していても、相手が話したそうなときは、自分の発言をストップする。また、相手が自分の話を受け入れられない状態(状況)だと感じたら、早めに、「傾聴」や「確認型応答」によって、安定と安心を取り戻してもらうことが先決。

参考:
対話のコツ(確認型応答)を習いながらストレスの解消を図る「対話の会」の努力目標(抜粋)
1. 相手の発言内容を否定しない。
2. 自分の考えを相手に押し付けるような言い方を慎み、一つの提案として示す。
3. 必要に応じて〈対話法〉の原則(「反応型応答」をする前に「確認型応答」をする)を守る。
4. 一人で切れ目なく5分(おおよその目安)以上話さない。

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2012年3月25日 (日)

「対話の会 in 気仙沼」が開かれました

3/24、9:30~12:00、「さかなの駅」に併設された「ボランティアステーションin気仙沼」で「対話の会 in 気仙沼」が開かれました。
浅野を含めて、参加者は12名(地元の人6名、ふんばろう東日本支援プロジェクトのメンバー他5名、飛び入り参加のアメリカ人1名)でした。
ところどころで、「対話の会」恒例の「確認型応答」を練習しながら、浅い話から深い話まで、2.5時間、たっぶり語り合いました。

今回は、地元で支援活動(社協、サポートセンター、仮設住宅自治会役員など)をしている人同士での「対話の会」だったため、地元の現状や外部支援団体への要望など、私たちにとっても、今後の参考になる意見がたくさん出されました。
「対話の会」では、一人で切れ目なく5分以上話さないことや、信頼関係の構築に効果的な〈対話法〉の原則をルールにしているため、初対面の参加者同士でも、早く打ち解けて、(かなり)本音での話ができるようになるのが特長です。今回の「対話の会」でも、この特長が、十分に発揮されたようです。

参加してくださった皆さん、そして、先月の〈対話法〉研修会に引き続きコーディネートしてくださった、気仙沼在住の村上充さん、ありがとうございました。
Kesennuma


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2011年12月25日 (日)

チャット「対話の会」への協力のお願い

チャット「対話の会」の開催と運営に協力してくださる方を募集しています。
下記のルールに賛同して、〈対話法〉を、ある程度使える方なら、どなたでも協力者になれます。
協力者の役割は、掲示板、Twitter、Facebookなどでの開催の告知と、チャット「対話の会」のファシリテートです。皆さんのご協力を、お願いいたします。

チャット「対話の会」を、できるだけ安心・安全な雰囲気にするためのルール
(運営しながら修正していく可能性があります)

■個人情報やプライバシーに関わる内容は書き込まないでください。
■相手の発言内容を否定しないでください。
■自分の考えを相手に押し付けるような発言は慎んでください。
■必要に応じて〈対話法〉の原則を守ってください。←これが、チャット「対話の会」の特徴です。

〈対話法〉の原則:
自分の考えや気持ちを言う(反応型応答)前に、相手が言いたいことの要点を、相手に言葉で確かめる(確認型応答)。

※必要に応じて、この原則を実践すると、お互いに気持ち良く対話ができます。
※〈対話法〉は、浅野のオリジナルです。詳細は、対話法研究所のホームページでご覧ください。

チャット「対話の会」についての詳細は、こちらでご覧ください。

協力を希望する方は、対話法研究所の浅野までご連絡ください。

主催:対話法研究所 浅野良雄

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2011年10月12日 (水)

第2回「東日本大震災・対話の会」が開催されました

09230005_2 9/23に、アカデミー文京(東京)で、第2回「東日本大震災・対話の会」(主催:対話法研究所、後援:東日本大震災・心の交流会)が開催されました。参加者20名でした。

〈対話法〉の基本的スキル「確認型応答」を練習しながら、震災に関する、各自の体験と思いを語り合いました。
東北地方から東京に避難されている方も含め、様々な立場の人たちの、情報交換と心のリ フレッシュの場になりました。

今後は、都内に加えて、全国各地で開いていきたいと考えています。

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2011年9月12日 (月)

第2回「東日本大震災・対話の会」を開催します

■第2回「東日本大震災・対話の会」 参加無料(先着30人)

日時:2011年09月23日(午後1時30分〜4時30分)

会場:アカデミー文京・学習室(文京シビックセンター 地下1階) (東京都文京区春日1-16-21)

主催:対話法研究所 後援:東日本大震災・心の交流会

詳細情報と申し込みは、こちらからどうぞ。

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 対話法研究所では、〈対話法〉(あとで説明します)に関心をもつ人たちと一緒に、長年、「対話の会」を開いてきました。この会の主な目的は、〈対話法〉の技法の一つである「確認型応答」を練習しながら、心のリフレッシュを図ることです。

 「対話の会」では、さまざまな年齢や立場の人が、安心して語り合える場を維持するために、次のようなルールがあります。

. 会の中で知った個人情報やプライバシーは、会の外にもらさないでください

. 一人で切れ目なく5分(おおよその目安)以上話さないでください。

. 必要に応じて〈対話法〉の原則を守ってください。

. その場では解決しそうにない悩みや困りごと、難しい話題には深入りしないでください。

. 自分の考えを相手に押し付けるような言い方を慎み、一つの提案として示してください。

 「対話の会」には、このルールに合意した人が参加するため、一般の「話し合い」や「交流会」と比べて、安全性が高いという特徴があります。

 私は、東日本大震災の発生後、被災者・支援者を問わず、震災に関わる人たちの心理的支援の場でも、「対話の会」の方法が活かせるのではないかと考え、「東日本大震災・対話の会」を開くことにしました。

 この会は、震災に関わる、あらゆる立場の人が、支援する側・される側という枠を外して、共に語り、聞き合うことを通して、心労を和らげ、明日に繋がるエネルギーを生むことを目的としています。また、震災支援に関する情報交換の場にもなっています。

 ここで、〈対話法〉について説明します。これは、浅野が17年前から提唱しているコミュニケーション技法です。「自分の考えや気持ちを言う(反応型応答)前に、相手が言いたいことの要点を、相手に言葉で確かめる(確認型応答)」ことを原則(必要に応じて使う)としています。この中の「確認型応答」は、従来からある、傾聴や共感というコミュニケーション技法をアレンジしたものであり、場の安心感や信頼関係の構築に役立ちます。しかも、確認型応答は、技法として、傾聴や共感よりもシンプルかつ具体的なので、初心者でも理解しやすく、すぐに実践に結びつけることができます。

 「対話の会」での「確認型応答」の練習体験は、被災地での支援活動(特に心理的支援)に役立つと考えています。

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2011年4月28日 (木)

『東日本大震災・心の交流会』(仮称)開催の呼びかけ

 3月11日に発生した東日本大震災において、被災された皆様はもちろんのこと、職務あるいはボランティアとして支援活動に従事している皆様の心労は計り知れません。

 そこで、私(たち)が、数年前から、東京や群馬で開いてきた「対話の会」(参考:「対話の会in東京」)の方法を活用して、大震災に関わる、あらゆる立場の人が共に語り合う、『東日本大震災・心の交流会』(仮称)の開催を考えています。人との「語り合い」は、心労を和らげ、明日に繋がるエネルギーを生むからです。

 もちろん、語り合う場は、他にもたくさんあるでしょう。しかし、この交流会では、参加者が、いくつかのルール(参考:「対話の会in東京」)に合意した上で参加するところに特徴があります。これは、さまざまな年齢や立場の人が、より安心して語り合う場を維持するための工夫です。

 また、交流会では、自由な雑談に加えて、ルールの一つである「確認型応答」(相手が言いたいことの要点を、相手に言葉で確かめる)を練習します。これは、お互いの話を傾聴し、それに対して確認型応答をするという方法です(参考:「対話の会」の進め方の一例)。この練習を通して、自分の話を真剣に聞いてもらう心地よさを実感できるでしょう。また、傾聴の体験は、被災地や避難所での支援活動に役立つに違いありません。

 交流会での話題は自由です。さまざまな立場からさまざまな話題が出ることは、交流会の醍醐味だと思います。そして、交流会での「語り合い」がきっかけになって、参加者の心が元気になることを願っています。

 まずは東京都内で開き、次第に各地に広げていくことを考えています。関心を持った方は、対話法研究所の浅野までご連絡ください。

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2011年4月 5日 (火)

地震の日のこと、そして、今できること

 その日、私は、勤務している高校のカウンセラー室で、来談者を待っていました。はじめは、いつもの地震かと思い、椅子に座って静まるのを待とうとしたのですが、揺れが激しくなる一方なので、これは近いと思って廊下に出ました。しかし、いつまでたっても収まりそうにありません。そのうち、周囲で、物が落ちたり、何かが壊れるような音が聞こえ始めました。屋外に逃げるのも危険と思い、廊下の壁を背にして、静まるのを待ちました。生徒と職員は、全員、校庭に避難して無事でしたが、校舎の一部が使用できなくなってしまいました。群馬では、桐生が一番震度が大きかった(6弱)ようです。自宅は、いくつかの物が落ちて壊れた程度で、家屋は幸い無傷でした。

 翌日から、東京・福岡・広島と、連日の出張予定でしたが、急遽、すべて延期しました。当日は、地震のことよりも、その連絡に、いちばん気を遣いました。出張が延期になったので、翌々日、桐生駅構内の市民活動推進センターで開かれた「対話の会」(主宰:浅野)に参加できました。桐生駅は、だいぶ被害を受けましたが、センターは無事でした。両毛線を使って前橋から参加した人もいました。当然のことながら、話題は地震のことでしたが、親しい人との語らいは、しばしのストレス発散になりました。翌日から、計画停電などのため、両毛線が不通になりました。私は、足利短大でもカウンセラーをしていますが、ガソリン節約のため、自宅から15キロの道のりを、2週続けて自転車で出勤しました。

 私の立場では、いますぐには、被災された方への直接支援はできません。そこで、人的・物的な被害はない、あるいは少ないものの、少なからずメンタル面で影響を受けている全国の人たち(自分も含む)で支え合いたいと考え、Twitterを使って、オンライン「対話の会」を開いています。地震のあと、ひとの優しさの平均値が、少なからず上がったような気がします。この優しさを、ずっと保ち続けたいものです。

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2011年1月17日 (月)

アスペルガー障害をもつ成人が〈対話法〉に関心

 私が提唱する〈対話法〉に、最近、アスペルガー障害をもつ成人の方々が関心を寄せてくれています。

 そして、〈対話法〉の活用法を、ブログ上で、体験を交えて報告してい ます。
 ここに、感謝をこめて紹介いたします。

にじいろ家族の小さな幸せ
アスペルガーライフblog

 特に、下のブログの人は、2010年末、NHK教育テレビの「福祉ネットワーク」キラキラ40“人づきあい”クライシス(1)−大人の発達障害−という番組で紹介された方です。

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2008年7月11日 (金)

「自殺予防の相談ダイヤル」の実現に向けてできること

今朝のNHKニュースによると、昨年まとめられた、国の「自殺総合対策大綱」の施策の1つとして、9月から始めることになっている「自殺予防の相談ダイヤル」への参加を予定している自治体は、現時点で、全都道府県と政令指定都市のの9割たらずだそうである。

この「自殺予防の相談ダイヤル」は、全国共通の番号にかかってきた電話が、最寄の自治体の相談窓口につながる仕組みである。

自治体が参加を見合わせている主な理由として、「予算や相談員の確保ができない」があげられているようである。

確かに、自殺のおそれがある人からの深刻な相談を電話で受けるシステムや人材や、一朝一夕にできることではないだろう。ただ、だからと言って、実施を先延ばしにしていては、せっかく成立した「自殺対策基本法」や「自殺総合対策大綱」が絵に描いた餅になってしまう。

自殺対策には、さまざまな方策が考えられるが、相談窓口の充実ということに限っても、そこには、予算や相談員の養成という課題がある。

相談員には、心理学や精神保健、社会福祉などの知識に加えて、心理カウンセリングの基本とされる受容・共感・傾聴などを含む相談スキルが必須である。
ところが、従来の相談員養成研修の多くは、知識の部分はまだしも、いわゆる「聴く」スキルの習得に多くの時間がかかることが課題であった。(この課題に気づいていない人も多いのが現状であるが……)

しかし、〈対話法〉で使われている「確認型応答」や「反応型応答」という概念とスキルでは、従来の受容・共感・傾聴などがより具体的な形で示されているため理解しやすい。そして、従来と比べて研修時間が節約できるのである。

私は、一昨年から、地域の「いのちの電話」相談員養成講座の講師を担当している。はじめは、「カウンセリングの理論と実際」の部分での1コマだけのピンチヒッターだったが、「確認型応答」や「反応型応答」を導入した実習を取り入れたため、受講者に分かりやすいと好評だったようで、昨年は「カウンセリングの基礎演習」も加わり、担当が3コマに増え、今年は4コマを担当した。
もちろん、一応、カウンセリングの基礎も伝えておく必要があるため、従来の、受容・共感・傾聴という概念も説明はしているが、演習の部分は、「確認型応答」と「反応型応答」のみで行っている。

「いのちの電話」の相談員養成講座での演習を3年間担当して、「確認型応答」と「反応型応答」という概念とスキルの有効性をますます実感しているこの頃である。

受講生が理解しやすいということは、養成にかける時間を、より少なくできるということである。時間を少なくできるということは、それだけ、他の重要な知識やスキルの習得に時間を割くことができることを意味する。あるいは、養成にかける時間全体を短くして費用を節減できることにもつながる。また、重要なスキルを習得しやすいということで、相談者をより多く養成できる可能性が増すであろう。

「いのちの電話」でも、このようであるから、「自殺予防の相談ダイヤル」における相談員養成でも、近い将来、「確認型応答」や「反応型応答」という概念とスキルが導入されれば、予算の削減や相談員の増員に貢献できるのではないかと確信している。

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2006年8月 5日 (土)

心の病を予防する

先日、東京で開かれた日本心理学会主催の公開シンポジウムに行ってきました。

「こころとからだの健康の心理学」のテーマで、3氏が話されましたが、私には、特に、久保田浩也氏(メンタルヘルス総合研究所)による「より効果的なメンタルヘルス活動への思考と方法--企業と職場を中心に--」が印象的でした。
久保田氏は、1970年代に、日本生産性本部の「メンタルヘルス研究委員会」で、筑波大学の内山喜久雄教授(現筑波大学名誉教授)らと活動をしてきた方です。

内容は盛りだくさんだったのですが、私なりに一言でまとめると、

■メンタルヘルスの向上においては、心の病気の早期発見・早期治療に力を入れるだけでは不十分であり、身体の病気と同じように、健康なときからの予防が大切である。

ということになるでしょうか。

そして、久保田氏は、「心の体操」というものを提唱しています。
講演中に、少しばかり実習をしたのですが、それによると、これは、自律訓練法を、さらに簡略化した方法のようです。

久保田氏は、この体操を、「いつでもどこでもできる」「短時間でできる」「効果がある」「機械・器具を使わない」「ランニングコストが不要」「誰でもできる」「安全である」「集団で一斉にできる」「一人でできる」などを考慮して考えたそうです。
私が提唱している〈対話法〉と同様のコンセプトであることが気に入りました。

身体の病気がそうであるように、心の病における予防的な活動の重要性を痛感した一日でした。

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