2011年10月12日 (水)

第2回「東日本大震災・対話の会」が開催されました

09230005_2 9/23に、アカデミー文京(東京)で、第2回「東日本大震災・対話の会」(主催:対話法研究所、後援:東日本大震災・心の交流会)が開催されました。参加者20名でした。

〈対話法〉の基本的スキル「確認型応答」を練習しながら、震災に関する、各自の体験と思いを語り合いました。
東北地方から東京に避難されている方も含め、様々な立場の人たちの、情報交換と心のリ フレッシュの場になりました。

今後は、都内に加えて、全国各地で開いていきたいと考えています。

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2011年4月28日 (木)

『東日本大震災・心の交流会』(仮称)開催の呼びかけ

 3月11日に発生した東日本大震災において、被災された皆様はもちろんのこと、職務あるいはボランティアとして支援活動に従事している皆様の心労は計り知れません。

 そこで、私(たち)が、数年前から、東京や群馬で開いてきた「対話の会」(参考:「対話の会in東京」)の方法を活用して、大震災に関わる、あらゆる立場の人が共に語り合う、『東日本大震災・心の交流会』(仮称)の開催を考えています。人との「語り合い」は、心労を和らげ、明日に繋がるエネルギーを生むからです。

 もちろん、語り合う場は、他にもたくさんあるでしょう。しかし、この交流会では、参加者が、いくつかのルール(参考:「対話の会in東京」)に合意した上で参加するところに特徴があります。これは、さまざまな年齢や立場の人が、より安心して語り合う場を維持するための工夫です。

 また、交流会では、自由な雑談に加えて、ルールの一つである「確認型応答」(相手が言いたいことの要点を、相手に言葉で確かめる)を練習します。これは、お互いの話を傾聴し、それに対して確認型応答をするという方法です(参考:「対話の会」の進め方の一例)。この練習を通して、自分の話を真剣に聞いてもらう心地よさを実感できるでしょう。また、傾聴の体験は、被災地や避難所での支援活動に役立つに違いありません。

 交流会での話題は自由です。さまざまな立場からさまざまな話題が出ることは、交流会の醍醐味だと思います。そして、交流会での「語り合い」がきっかけになって、参加者の心が元気になることを願っています。

 まずは東京都内で開き、次第に各地に広げていくことを考えています。関心を持った方は、対話法研究所の浅野までご連絡ください。

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2011年1月17日 (月)

アスペルガー障害をもつ成人が〈対話法〉に関心

 私が提唱する〈対話法〉に、最近、アスペルガー障害をもつ成人の方々が関心を寄せてくれています。

 そして、〈対話法〉の活用法を、ブログ上で、体験を交えて報告してい ます。
 ここに、感謝をこめて紹介いたします。

にじいろ家族の小さな幸せ
アスペルガーライフblog

 特に、下のブログの人は、2010年末、NHK教育テレビの「福祉ネットワーク」キラキラ40“人づきあい”クライシス(1)−大人の発達障害−という番組で紹介された方です。

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2011年1月11日 (火)

毎月11日は「対話の日」

今日は、1月11日。
私が勝手に決めたのですが、今年から、毎月11日は、「対話の日」です。
人が並んで「対話」をしているように見えるからです。

「対話」というものは、日頃、無意識にしているため、その重要性を忘れがちです。
そこで、月に一度(11日)くらいは、「対話」の価値を再確認したいものです。
特に、〈対話法〉の原則を思い出して、それを日常の生活に活かすよう、心がける日にしたいです。

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2010年12月 1日 (水)

「東京新聞」と「中日新聞」の朝刊で〈対話法〉が紹介されました

 今日、12月1日は、知人の妹尾信孝さんとの共著『輝いて生きる』(文芸社)が出版された日です。ちょうど、10年前のことです。
 奇しくも、今日(12/1)、「東京新聞」と「中日新聞」の朝刊の「セカンドらいふ」欄で、浅野が16年来提唱している〈対話法〉が紹介されました。地方紙以外での紹介は初めてです。
 タイトルは、「達人に聞く夫婦の会話術---『確認』織り交ぜスムーズに」。11/23に開催された、「対話の会」in東京の写真も掲載されています。
 東京新聞の、こちらのサイトでも、記事が読めます。

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2008年10月20日 (月)

ほめる行為の効果に影響する上司と部下との関係

対話法研究所が行った研究結果を支持するような記事を見たので紹介します。

JR西日本は、福知山線脱線事故を受けて、平成18年、社内に「安全研究所」を設立しました。本日10/20、そこで行われた、人的要因が安全に与える影響についての研究成果が発表されたそうです。

研究の一つとして実施された、「効果的なほめ方・しかり方」についてのアンケート調査によると、部下が行った工夫を上司が評価した場合、業務に対する責任感が向上しますが、上司との関係が悪ければ、逆に低下するという結果が出たようです。

つまり、「上司と部下の関係が良好な状態を保ったうえでほめることが重要」だということが分かったということです。

浅野が提唱している〈対話法〉の理論によると、「ほめること」は「反応型応答」に分類されます。
そして、最近の研究によると、反応型応答は、その好感度が、相手との信頼関係など、様々な条件に左右されること、一方、「確認型応答」は、信頼関係の有無にあまり影響されずに、好感度が比較的高く保たれる傾向にあることが分かりました。

JR西日本の研究では、ほめるという行為と業務に対する責任感との関係について調査したわけですが、「ほめられる」ことに対する好感度が、業務に対する責任感に影響すると仮定するなら、浅野による研究と、ほぼ同じ結果が出たと言えるでしょう。

浅野による、この研究結果は、8月に九州で開かれた国際学会で発表されました。また、詳しいことは、間もなく刊行されるジャーナルに掲載される予定です。

■参考記事(産経新聞)「仲が悪ければほめても逆効果 JR西が上司と部下の関係を研究」はこちらです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081020-00000538-san-soci

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2007年3月21日 (水)

〈対話法〉の効果を実証する試み

 対話法研究所の浅野は、昨年(2006年)末から今年にかけて、「確認スキル」(〈対話法〉で提唱されている「確認型応答」に相当します)を中心とした傾聴訓練が、高校生のコミュニケーションスキル、孤独感、学校生活満足度に与える効果を研究しました。

 なお、今回の研究のように、「傾聴訓練」のみの効果をデータを示して実証する研究は、これまで意外と少なく、とくに高校生を対象としたものは皆無に等しいため、貴重な研究結果であると言えるでしょう。
 また、「確認スキル」の訓練効果は、言い換えれば〈対話法〉で提唱されている「確認型応答」の訓練効果に相当するため、今回の研究は、〈対話法〉の効果の実証を試みたことになるでしょう。
 今後、小中学生を対象として同様の研究が行われることを期待しています。

 研究では、高校3年生(訓練群3クラス90名、統制群3クラス82名)を対象に、「確認スキル」をターゲットスキル(訓練の中心となるスキル)として傾聴訓練を行ないました。

 訓練群(実際に訓練を実施したクラス)では、ホームルームと読書の時間(合わせて20分)を使って、4〜8回にわたり、クラス担任の指導により訓練が実施されました。
 訓練は3人(発言者、確認者、観察者)1組で行われ、発言者が自分の言いたいことを話したあと、確認者が発言者の話の要点を言い返して確認する形で発言と確認を繰り返し、約3分後に発言者と確認者が役割を交替するという方法でした。
 一方、統制群(訓練を実施しないクラス)では、その期間中、通常のホームルームと読書の時間を過ごしました。

 訓練前、訓練終了後、その約1ヶ月後の3回、両群に対してアンケート(心理尺度による測定)を実施しました。

 その結果、傾聴訓練が、「同輩とのコミュニケーションスキル」の低い生徒のスキルを向上させることがわかりました。
 また、もともと孤独感が高い生徒の場合、傾聴訓練により孤独感が低減する傾向にあることがわかりました。
 さらに、学校生活に不満足感をいだいている生徒の場合、傾聴訓練によって「学校生活満足度」が増大することがわかりました。

 このように、今回の研究により、「確認スキル」(確認型応答)のみをターゲットスキルとした傾聴訓練に一定の効果があることがわかりました。

 一般的に、コミュニケーションスキルが不足している、孤独感が高い、学校生活満足度が低い生徒は、さまざまな問題行動を起こしやすいと言われていますが、このような生徒への予防的な教育活動の一環として、「確認スキル」(確認型応答)のみをターゲットスキルとした傾聴訓練を用いることが期待されます。また、学校における「いじめ」問題の対策の一つとしても効果を発揮するものと思われます。

 研究の詳細は、近いうちに、対話法研究所のホームページに掲載する予定です。

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2007年1月 1日 (月)

確認!やってるつもり

新年おめでとうございます。
今年も〈対話法〉をよろしくお願いいたします。

今年も、東京をはじめ、各地で研修会・練習会を開いていきます。

昨年の後半から、これまでとは違う分野から〈対話法〉の講演を依頼される機会が増えてきました。
そのため、これまでとは違った感想や質問をいただく機会があり、〈対話法〉の普及活動を進めていくうえで有り難いことと感謝しています。

それらのなかから、両極端の二つの感想(質問)を紹介します。

1 「確認」だけでは会話が進まないのではないでしょうか。
2 「確認」はこれまでにもしてきたことだと思います。

1についてですが、〈対話法〉では、確認「だけ」してくださいとは言っていないのですが、人(研修会・講演会の参加者)によっては、そのように受け取ってしまうようです。
これについては、〈対話法〉の説明の仕方をさらに工夫していく必要性を感じています。
改めて言いますと、「確認」は、「必要なとき」にすればいいのです。

つぎに2についてです。
〈対話法〉が提唱する「確認」は、これまで私たちが無意識(自然)に行なってきた「確認」とは「質」と「量」が違います。また、「無意識」に確認するのと、「意識して」確認するのとでは、効果が大きく異なります。

これについては、日本対話法研究会会員のブログ「♪相互理解ができたらいいね♪」の報告「情報の分かち合いに感謝します」が参考になります。

私たちは、比較的冷静なときは、ときどき無意識に「確認」をしていますが、少し感情的になると、多くの場合「確認」を忘れてしまうのです。そのため、お互いの感情がエスカレートして人間関係が悪化してしまうのです。
実は、こんなときにこそ「確認」が必要なのですが……。

つまり、やってる「つもり」の確認から、「やれる」確認に転換することが、今、求められています。
そのためには、どんなときにも意識的に「確認」ができるように、普段から練習をしておくことが大切でしょう。

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2006年11月13日 (月)

「いじめ」の問題と「聞くこと」の重要性

今日(11月13日)の夜7時からの「NHKニュース7」の中で、このごろ連日のように報道されている学校での「いじめ」の問題に関して、自ら「いじめ」を受けたことのある2人の体験者が、当時の思いを語っていた。

それは、「いじめを受けていることを訴えても、多くの大人は、子どもの話をよく聞きもしないで、すぐに自分の意見を言う。大人は、もっと子どもの話をきちんと聞いて理解してから、意見を言って欲しい」という内容であった。
それに続いて、東京シューレ理事長の奥地圭子さんも、「大人は、はじめに意見ありきでなく、もっと子どもの話を聞いてあげて欲しい」という内容のことを話していた。
どちらも、まずは「聞く」ということを最優先して欲しい、という訴えなのである。(どちらの発言も、記憶に頼って書いているので、細かいところはうろ憶えであるため、文責は浅野にある)

これらのコメントを聞いた時、それが、「自分の考えや気持ちを言う前に、相手が言いたいことの要点を、相手に言葉で確かめる」ことを唯一の原則として提唱している〈対話法〉と同じであることに驚いた。そして、〈対話法〉の普及活動に対して、これまで以上の使命感さえいだいたのである。

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2006年10月13日 (金)

〈対話法〉における「三方よし」の理念

 〈対話法〉の理論と技法は、心理学(特にカウンセリング心理学)やコミュニケーション学を基盤としているが、その普及方法となると、モデルとなるものがなかなか見つからなくて苦慮していた。そのためか、〈対話法〉に一度でも触れる機会があった人からは、〈対話法〉の価値を認めてもらい、少しずつ輪が広がっていくのであるが、その評判や効果の割には、広がり具合が遅々としていることを不思議に思っていたのである。

 一方で、コミュニケーション不全に端を発すると思えるような事件・事故が多発している現在、それらの対策と予防の手段の一つとして〈対話法〉を役立ててもらいたいとの思いは高まるばかりである。

 先日、コミュニティケア活動支援センター事務局長の佐藤修さん(コンセプト・デザイナー/(株)コンセプトワークショップ代表)と話す機会があった。佐藤さんは、〈対話法〉と、その普及活動を応援している貴重な人物の一人である。

 これまで、どちらかというと、〈対話法〉の普及活動は、基本的に無償で行なってきた。もちろん、対話法研究所所長の浅野が、会社・学校・公的機関などに講師として呼ばれるときは、それ相応の講師料をいただくことはある。しかし、所長以外の協力者の皆さん(日本対話法研究会会員)の活動の多くは、交通費もいただかない無償での働きがほとんどだったのである(練習会の会場費程度はいただいている)。

 これが、たいへん有り難く尊い行為だという思いは、いまでも変わらない。しかし、改めて考えてみると、〈対話法〉の普及活動の目的は、「無償で行なう」ことではなく、「普及させる」ことなのである。

 このような話を佐藤さんとしているうちに、普及活動が無償で行なわれているところに、いま一つ広がっていかない原因の一つがあるのではないか、との意見をいただいた。わたしも、おぼろげながら考えていたことではあるが、佐藤さんのように、〈対話法〉に理解のある第三者の方から改めて言われたのを機に、この問題に真剣に取り組もうと考える昨今である。

 なんらかの社会的活動や市民活動をするとき、それが新しい活動であればあるほど、有償で行なうのか無償で行なうのかという難しい選択に直面する。これについて論ずるのは、それだけでも大変なことであるが、〈対話法〉の普及活動も、この問題の渦中にあったと言えよう。

 話の中で、佐藤さんが、ふと、「三方よし」という言葉を漏らした。これは、近江商人の経営の心得・理念として知られる、「売り手よし、買い手よし、世間よし」のことである。〈対話法〉の普及活動は、商人が物品を販売するのとは趣が異なるものの、「三方よし」という理念には、おおいに学ぶところがあると思う。

 〈対話法〉の場合、「売り手よし」とは、講師(世話人と呼ぶことが多い)の物心両面での満足(利益)のことであり、「買い手よし」とは、受講生(参加者)の「心の」満足(利益)のことになる。そして、「世間よし」は、公共の利益(社会貢献)という意味合いである。〈対話法〉では、この理念をモデルとして普及活動を進めていきたいと考えている。

 そして、その第一歩として、東京〈対話法〉研修会を企画した。この形が、有償での普及活動のモデルの一つになれば幸いである。もちろん、時と場合に応じて、従来のような無償での活動も続けていきたい。

 思えば、「自分の考えや気持ちを言う前に、相手が言いたいことの要点を、相手に言葉で確かめる」という〈対話法〉の原則自体が、この「三方よし」の理念にかなっている。どちらかが一方的に話したり聞いたりするのではなく、お互いの「発言する権利」を尊重し合うこと、そして、その際に、自分の発言よりも、相手の話をきちんと聞くことを、まずは優先するのである。そして、この原則には明記されていないが、この原則に則った対話による良好な対人関係が、社会における健全な経済活動や福祉の発展に貢献するのである。これは、コミュニケーションにおける「三方よし」の理念の実現の姿の一つなのではないだろうか。

【参考】「三方よし研究所」というのが滋賀県彦根市にある。

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