2011年9月12日 (月)

第2回「東日本大震災・対話の会」を開催します

■第2回「東日本大震災・対話の会」 参加無料(先着30人)

日時:2011年09月23日(午後1時30分〜4時30分)

会場:アカデミー文京・学習室(文京シビックセンター 地下1階) (東京都文京区春日1-16-21)

主催:対話法研究所 後援:東日本大震災・心の交流会

詳細情報と申し込みは、こちらからどうぞ。

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 対話法研究所では、〈対話法〉(あとで説明します)に関心をもつ人たちと一緒に、長年、「対話の会」を開いてきました。この会の主な目的は、〈対話法〉の技法の一つである「確認型応答」を練習しながら、心のリフレッシュを図ることです。

 「対話の会」では、さまざまな年齢や立場の人が、安心して語り合える場を維持するために、次のようなルールがあります。

. 会の中で知った個人情報やプライバシーは、会の外にもらさないでください

. 一人で切れ目なく5分(おおよその目安)以上話さないでください。

. 必要に応じて〈対話法〉の原則を守ってください。

. その場では解決しそうにない悩みや困りごと、難しい話題には深入りしないでください。

. 自分の考えを相手に押し付けるような言い方を慎み、一つの提案として示してください。

 「対話の会」には、このルールに合意した人が参加するため、一般の「話し合い」や「交流会」と比べて、安全性が高いという特徴があります。

 私は、東日本大震災の発生後、被災者・支援者を問わず、震災に関わる人たちの心理的支援の場でも、「対話の会」の方法が活かせるのではないかと考え、「東日本大震災・対話の会」を開くことにしました。

 この会は、震災に関わる、あらゆる立場の人が、支援する側・される側という枠を外して、共に語り、聞き合うことを通して、心労を和らげ、明日に繋がるエネルギーを生むことを目的としています。また、震災支援に関する情報交換の場にもなっています。

 ここで、〈対話法〉について説明します。これは、浅野が17年前から提唱しているコミュニケーション技法です。「自分の考えや気持ちを言う(反応型応答)前に、相手が言いたいことの要点を、相手に言葉で確かめる(確認型応答)」ことを原則(必要に応じて使う)としています。この中の「確認型応答」は、従来からある、傾聴や共感というコミュニケーション技法をアレンジしたものであり、場の安心感や信頼関係の構築に役立ちます。しかも、確認型応答は、技法として、傾聴や共感よりもシンプルかつ具体的なので、初心者でも理解しやすく、すぐに実践に結びつけることができます。

 「対話の会」での「確認型応答」の練習体験は、被災地での支援活動(特に心理的支援)に役立つと考えています。

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2011年4月28日 (木)

『東日本大震災・心の交流会』(仮称)開催の呼びかけ

 3月11日に発生した東日本大震災において、被災された皆様はもちろんのこと、職務あるいはボランティアとして支援活動に従事している皆様の心労は計り知れません。

 そこで、私(たち)が、数年前から、東京や群馬で開いてきた「対話の会」(参考:「対話の会in東京」)の方法を活用して、大震災に関わる、あらゆる立場の人が共に語り合う、『東日本大震災・心の交流会』(仮称)の開催を考えています。人との「語り合い」は、心労を和らげ、明日に繋がるエネルギーを生むからです。

 もちろん、語り合う場は、他にもたくさんあるでしょう。しかし、この交流会では、参加者が、いくつかのルール(参考:「対話の会in東京」)に合意した上で参加するところに特徴があります。これは、さまざまな年齢や立場の人が、より安心して語り合う場を維持するための工夫です。

 また、交流会では、自由な雑談に加えて、ルールの一つである「確認型応答」(相手が言いたいことの要点を、相手に言葉で確かめる)を練習します。これは、お互いの話を傾聴し、それに対して確認型応答をするという方法です(参考:「対話の会」の進め方の一例)。この練習を通して、自分の話を真剣に聞いてもらう心地よさを実感できるでしょう。また、傾聴の体験は、被災地や避難所での支援活動に役立つに違いありません。

 交流会での話題は自由です。さまざまな立場からさまざまな話題が出ることは、交流会の醍醐味だと思います。そして、交流会での「語り合い」がきっかけになって、参加者の心が元気になることを願っています。

 まずは東京都内で開き、次第に各地に広げていくことを考えています。関心を持った方は、対話法研究所の浅野までご連絡ください。

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2011年1月17日 (月)

アスペルガー障害をもつ成人が〈対話法〉に関心

 私が提唱する〈対話法〉に、最近、アスペルガー障害をもつ成人の方々が関心を寄せてくれています。

 そして、〈対話法〉の活用法を、ブログ上で、体験を交えて報告してい ます。
 ここに、感謝をこめて紹介いたします。

にじいろ家族の小さな幸せ
アスペルガーライフblog

 特に、下のブログの人は、2010年末、NHK教育テレビの「福祉ネットワーク」キラキラ40“人づきあい”クライシス(1)−大人の発達障害−という番組で紹介された方です。

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2006年8月 5日 (土)

心の病を予防する

先日、東京で開かれた日本心理学会主催の公開シンポジウムに行ってきました。

「こころとからだの健康の心理学」のテーマで、3氏が話されましたが、私には、特に、久保田浩也氏(メンタルヘルス総合研究所)による「より効果的なメンタルヘルス活動への思考と方法--企業と職場を中心に--」が印象的でした。
久保田氏は、1970年代に、日本生産性本部の「メンタルヘルス研究委員会」で、筑波大学の内山喜久雄教授(現筑波大学名誉教授)らと活動をしてきた方です。

内容は盛りだくさんだったのですが、私なりに一言でまとめると、

■メンタルヘルスの向上においては、心の病気の早期発見・早期治療に力を入れるだけでは不十分であり、身体の病気と同じように、健康なときからの予防が大切である。

ということになるでしょうか。

そして、久保田氏は、「心の体操」というものを提唱しています。
講演中に、少しばかり実習をしたのですが、それによると、これは、自律訓練法を、さらに簡略化した方法のようです。

久保田氏は、この体操を、「いつでもどこでもできる」「短時間でできる」「効果がある」「機械・器具を使わない」「ランニングコストが不要」「誰でもできる」「安全である」「集団で一斉にできる」「一人でできる」などを考慮して考えたそうです。
私が提唱している〈対話法〉と同様のコンセプトであることが気に入りました。

身体の病気がそうであるように、心の病における予防的な活動の重要性を痛感した一日でした。

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2006年5月21日 (日)

問題解決が早いブリーフ・セラピー

今日は、失敗学会の会議があったので、東京に行ってきた。
私の場合、生産現場・医療機関・交通機関などにおける失敗や事故への対応と防止に「確認型応答」が役立つのではないかという観点から、失敗学会の活動に関わっている。

行き帰りの電車の中で、短期療法(ブリーフ・セラピー)の本を読んだ。ここ数年、ますます注目されてきたセラピーの一種である。

従来(と言ってもいろいろあるが)のセラピーとの大きな違いは、基本的に、クライエントがかかえている問題や症状の原因探しをしないところにある。
生育歴や原因はともあれ、とにかく悩みや症状が改善すればいいという、つまり前向き(解決志向)な対応をしていこうという考え方が根底にあるからだ。

私も、数年前から、このセラピーを取り入れている。そのためか、問題や症状がそれほど深刻でないクライエントの場合、文字通り、2〜3回でカウンセリングが終わるケースが増えてきた。

参考文献:スコット・D・ミラー、インスー・キム・バーグ著『ソリューション・フォーカスト・アプローチ』金剛出版

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2006年5月11日 (木)

興奮と冷静の切り替え

昨晩、NHK総合で放映されたクローズアップ現代の、「脳科学で防ぐ“キレる子”」を見た。
思い切り心身を動かして楽しく遊ぶ状態と、遊びを終わらせて冷静な状態に戻るときの気持ちの切り替えの方法を、体験を通して学んでいくことの重要性が、脳科学の観点から理解できた。
この番組については、たくさんのブログ記事があるので、いくつかを紹介する。

脳科学的にみても親子のコミュニケーションは大事みたいです

周囲は心の鏡

じゃれつき遊び

〈対話法〉の練習は、冷静に相手の言葉を聞くことを通して自分の感情をコントロールする訓練にもなっている。
このような心の働きが、脳科学の研究からさらに解明されることを願っている。

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