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2020年5月16日 (土)

私と〈対話法〉そして「対話の会」のあゆみ

 私は大学で工学を学び、技術者として10年間の会社勤務の後に退職し、学校等で講師をする傍ら民間団体でカウンセリングを学びました。現在は、地元の高校でカウンセラーをしながら、〈対話法〉というコミュニケーション技法の普及活動をしています。

 カウンセリングの学習と実践を通して、悩みの多くは「不適切なコミュニケーション」に起因することを知りました。一方、心理的支援の需要に比べて専門職が少ないため、共助の必要性を痛感していました。しかし、共助では「対話」が主要な手段のため、活動の中で時々トラブルが生じます。その予防には心理学、特にカウンセリングの知見が役立つのですが、習得に多くの時間と費用を要するため、より学びやすい理論と技法が必要だと考えていました。

 そして、1994年に、傾聴や共感を「相手が言いたいことの要点を相手に言葉で確かめる」(後の「確認型応答」)と操作的に定義することを考案し、それを軸とする技法の通称を〈対話法〉と名付けました。

 その後、医療・福祉系の大学や施設をはじめ、多分野の人を対象に、心の健康やヒューマンエラーの予防法の一つとして〈対話法〉を伝えてきました。さらに、普及活動に加え、「確認型応答」の実証研究を行い、その成果を国内外で発表しました。その間、活動の質を高めるために大学で心理学を体系的に学び、認定心理士資格を取得しました。その後、大学院で臨床心理学の視点から〈対話法〉理論を深めました。

 そして近年、組織ぐるみで〈対話法〉を導入する企業や団体が出てきました。また、地元を中心に浅野が無償で活動する「対話の会」は、数度の中断を経ながらも25年間続いています。「対話の会」では、トラブル予防のために〈対話法〉を活用しながら人間関係をテーマに語り合い、心の健康の維持と増進を図っています。東日本大震災の直後には被災地にも出向いて開催しました。今後、この活動が各地に広がるよう、全国の〈対話法〉理解者・協力者との連携を模索しています。


これまでの主な実績

【浅野による実践活動】

■〈対話法〉の概要:〈対話法〉のすすめメッセージ Ver4.3

http://www.taiwahou.com/images/print/message4-3.pdf

■「対話の会」の概要

http://www.taiwahou.com/taiwanokai/kai.html

■「対話の会」のフライヤー Ver.18

http://www.taiwahou.com/images/print/taiwakai.Ver.18.pdf

■「対話の会」の告知記事:浅野が住む群馬県桐生地区の地元紙「タウンわたらせ」

http://www.taiwahou.com/images/kiji/taiwanokaipr.pdf

 

【協力者による実践活動】

■コミー株式会社での「確認型応答」の導入:コミーに学ぶ「チームマネジメント」の知恵(その2)

https://blogs.itmedia.co.jp/harada6stars/2015/09/post_204.html

■ゲートキーパー活動での〈対話法〉の導入:北海道札幌市を中心に活動する自殺予防団体-SPbyMD-

https://spbymd.jimdofree.com/

https://fields.canpan.info/organization/detail/1255280180

■小学校の養護教諭による実践:

学校教育における〈対話法〉の実践-養護教諭の職務の特質や保健室の機能を生かした健康相談活動への適用-

http://www.taiwa.org/jireihoukoku/paper-egawa1.html

気持ちを言葉で伝え合える学級経営への支援(2008年 日本教育カウンセリング学会 研究発表大会口演)

http://www.taiwa.org/jireihoukoku/paper-egawa2.html

■小学校教諭による国語の授業での実践:

新潟県教育庁上越教育事務所発行 平成20年度「アクセス」学校教育に関する所見

授業改善ワンポイント・国語・小学校「話す・聞く能力を高めるために」

http://www.taiwahou.com/images/kiji/joetuedu.pdf

 

【浅野による研究・講演・研修活動】

■論文・口演・著書リスト

http://www.taiwahou.com/gyoumu/kenkyujisseki.html

■講演・研修活動の主な実績

http://www.taiwahou.com/gyoumu/kouen.html

 

【浅野の主要論文】

■対話における確認型応答の心理的効果

日本コミュニケーション学会 創立35周年記念論文集(2006年)

■傾聴訓練が高校生の孤独感と学校生活満足度に及ぼす効果

「ヘルスサイエンス研究」第111号(2007,ぐんまカウンセリング研究会)

http://www.taiwahou.com/paper/keicho.pdf

■カウンセラーの態度と技法を確認型応答という概念から考察する試み

「足利短期大学・研究紀要」第28巻(2008年)

http://www.taiwahou.com/ashikaga28.pdf

■確認スキルの訓練が高校生のコミュニケーションスキルに及ぼす効果

「スピーチコミュニケーション教育」第21巻(2008,日本コミュニケーション学会)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/sce/21/0/21_KJ00004947842/_pdf/-char/ja

■共感的態度を評価するための一方法-確認型応答という概念の導入-

「医学教育」第413号(2010,日本医学教育学会)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/mededjapan/41/3/41_3_175/_pdf

■積極的傾聴における2つの応答様式-確認型応答と反応型応答の紹介(英文)

「足利短期大学・研究紀要」第31巻(2011年)

http://www.taiwahou.com/paper/english.pdf

■相談者の心理状態と相手からの応答様式が応答への好感度に与える影響

「足利短期大学・研究紀要」第33巻(2013年)

http://www.taiwahou.com/paper/aite.pdf

■カウンセラーの応答における傾聴と共感の定義をめぐる課題 : 「確認」という視点の再評価

「ヘルスサイエンス研究」第171号(2013,ぐんまカウンセリング研究会)

http://www.taiwahou.com/gca17.pdf

■〈対話法〉の研究と普及活動20年のあゆみ

「ヘルスサイエンス研究」第181号(2014,ぐんまカウンセリング研究会)

http://www.taiwahou.com/gca18.pdf

 

【著書(共著)】

■「緩和ケア」Vol.19 200910月増刊号『緩和ケアをともに学ぶ、教える』(青海社)

「学びやすく教えやすいコミュニケーション技法-確認型応答の提言」を執筆

https://www.fujisan.co.jp/product/1281683077/b/254226/

■「ヒューマンエラーの発生要因と削減・再発防止策」20198月(技術情報協会
「ヒューマンエラーを予防するコミュニケーション技法『確認型応答』の意識的な実践」の項目を執筆

https://www.gijutu.co.jp/doc/b_2005.htm

 

【マス・メディアでの紹介】

■ラジオNIKKEI「薬学の時間」2009115日放送
「患者の話を聞く技術-確認型応答について」誤解の予防・解消と信頼構築のために

http://medical.radionikkei.jp/yakugaku/date/20090115/

■“会話”通して被災地支援、対話法研究の浅野良雄さん(桐生タイムス)

http://www.taiwahou.com/images/kiji/kiryutimes.pdf

http://www.kiryutimes.co.jp/news/2012/0123/1201232.html

■達人に聞く 夫婦の対話術-「確認」織り交ぜスムーズに(東京新聞)

http://www.taiwahou.com/images/kiji/tokyoshinbun.pdf

 

以上

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