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2011年4月28日 (木)

『東日本大震災・心の交流会』(仮称)開催の呼びかけ

 3月11日に発生した東日本大震災において、被災された皆様はもちろんのこと、職務あるいはボランティアとして支援活動に従事している皆様の心労は計り知れません。

 そこで、私(たち)が、数年前から、東京や群馬で開いてきた「対話の会」(参考:「対話の会in東京」)の方法を活用して、大震災に関わる、あらゆる立場の人が共に語り合う、『東日本大震災・心の交流会』(仮称)の開催を考えています。人との「語り合い」は、心労を和らげ、明日に繋がるエネルギーを生むからです。

 もちろん、語り合う場は、他にもたくさんあるでしょう。しかし、この交流会では、参加者が、いくつかのルール(参考:「対話の会in東京」)に合意した上で参加するところに特徴があります。これは、さまざまな年齢や立場の人が、より安心して語り合う場を維持するための工夫です。

 また、交流会では、自由な雑談に加えて、ルールの一つである「確認型応答」(相手が言いたいことの要点を、相手に言葉で確かめる)を練習します。これは、お互いの話を傾聴し、それに対して確認型応答をするという方法です(参考:「対話の会」の進め方の一例)。この練習を通して、自分の話を真剣に聞いてもらう心地よさを実感できるでしょう。また、傾聴の体験は、被災地や避難所での支援活動に役立つに違いありません。

 交流会での話題は自由です。さまざまな立場からさまざまな話題が出ることは、交流会の醍醐味だと思います。そして、交流会での「語り合い」がきっかけになって、参加者の心が元気になることを願っています。

 まずは東京都内で開き、次第に各地に広げていくことを考えています。関心を持った方は、対話法研究所の浅野までご連絡ください。

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2011年4月10日 (日)

「対話の会」の進め方の一例---確認型応答の練習法

 

「対話の会」は、自由な語り合いの場ですが、可能な限り安全な雰囲気を維持するために、必要に応じて〈対話法〉の原則(特に確認型応答)を守ることをルールの一つにしています。
 そのため、「対話の会」では、必要なときに意識的な「確認型応答」ができるよう、自由な語り合いと並行して、メンバー同士で確認型応答を練習します。
 ファシリテーターが、全体の進行をします。

※見学について:「対話の会」では、見学も歓迎しています。見学したい人は、その旨を、ファシリテーターとメンバーに伝えてください。なお、見学 者は、原則として、自己紹介はもちろんのこと、発言も確認型応答もしないでください。また、メンバーは、見学者に対して、挨拶以外の声かけはしないでくだ さい。これらは、見学者の心の安全を守るために、たいへん重要なことです。

■確認型応答を集中して練習する方法

1.全員の顔が見えるように座ります。必要に応じて、簡単な自己紹介をします。

2.メンバーの中の一人が発言者(話し手)になって、自分が、いま言いたいことを話します。この際、一度に、複数の異なる話題を話すと、確認型応答が難しくなるので、できるだけ一つの話題ごとに、一旦、話をストップしてください(一つの話題につき、1分程度が標準です)。

3.話の内容に対して、他のメンバーが、一人ずつ、確認型応答をしてください。その際、確認型応答の内容が、発言者(話し手)が言いたいこととピッタリ合っていなくても、全く問題ありません。

4.確認型応答の内容が合っている場合は、発言者(話し手)は、「はい、その通りです」とか「だいたい合っています」あるいは「違っています」とだけ言ってください。原則として、この時点では、違っているところについて、追加の説明はしないでください。

※もし、反応型応答をしてしまっても、全く問題ありません。私たちは、これまで反応型応答が習慣になっているため、確認型応答を始めから意識的にできる人は少ないからです。そこで、ファシリテーターは、それが反応型応答であることを、優しく(ここが重要です)指摘してください。そして、できれば、確認型応答で言い直してみることを勧めてください。どうしても確認型応答が思いつかない場合は、次の人にパスしても結構です。

※確認型応答がうまくできた時は、皆で拍手をして、確認型応答ができたことを一緒に喜んでください。また、ファシリテーターは、状況に応じて、確認型応答の手本を示してください。

5.数人から確認型応答をしてもらったあと、発言者(話し手)は、それらの確認型応答について、どこが合っていたか、あるいは違っていたかについて説明してください。これは、覚えている範囲で結構です。そして、説明の内容について、メンバーと意見交換をしてください。

6.説明と質疑応答が終わったら、発言者(話し手)は、話の続きを話します。そして、2〜6を繰り返します。もし、話の続きがなければ、発言者(話し手)を交替して、2〜6を繰り返してください。

7.このような流れで、数人で発言者(話し手)を交替しながら、メンバーが確認型応答を練習したあと、ファシリテーターの進行によって、全員で、感想を話し合って、確認型応答の練習を終わります。

■確認型応答の練習の意義

◯コミュニケーションで重要な確認型応答の練習ができます。
◯発言者(話し手)としては、他のメンバーから確認型応答をしてもらうことで、確認型応答の心地よさを実感できます。
◯確認型応答をする側は、発言者(話し手)に喜んでもらえることで、確認型応答によって、ひとの役に立てることを実感できます。
◯これらにより、メンバー間の信頼関係が深まり、同時に、日頃のストレス解消や心のリフレッシュに繋がります。

■参考:「対話の会」のルール

◯会の中で知った個人情報やプライバシーは会の外にもらさないこと。
◯必要に応じて〈対話法〉の原則を守ること。
◯その場では解決しそうにない悩みや困りごと、難しい話題には深入りしないこと。
◯自分の考えを相手に押し付けるような言い方を慎み、一つの提案という形で示すこと。
◯ポジティブ(前向き・積極的・肯定的)な言い方をするように心がけること。
◯いま、ここで起こっている気持ちや出来事を優先して話題にすること。
◯一人で切れ目なく5分以上話さないこと。

〈対話法〉の原則は、自分の考えや気持ちを言う(反応型応答)前に、相手が言いたいことの要点を、相手に言葉で確かめる(確認型応答)」ことです。

 日常の対話の中で、この原則を必要に応じて実践すると、誤解を防ぎながら、お互いの本音が言い易い雰囲気が維持されます。

〈対話法〉の原則と確認型応答・反応型応答という用語は浅野のオリジナルです。詳細は、対話法研究所 あるいは 日本対話法研究会 のホームページでご覧ください。

 このルールを使った「対話の会」は、どなたでも開くことができます。なお、その際は、対話法研究所の浅野まで、ぜひご連絡ください。ルールの正しい理解や、会の告知等に協力いたします。

 人と人との支え合いを促進する「対話の会」が、全国各地で開かれることを願っております。

 この記事の内容について、ご質問がありましたら、遠慮なく、対話法研究所の浅野までお問い合わせください。

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2011年4月 5日 (火)

地震の日のこと、そして、今できること

 その日、私は、勤務している高校のカウンセラー室で、来談者を待っていました。はじめは、いつもの地震かと思い、椅子に座って静まるのを待とうとしたのですが、揺れが激しくなる一方なので、これは近いと思って廊下に出ました。しかし、いつまでたっても収まりそうにありません。そのうち、周囲で、物が落ちたり、何かが壊れるような音が聞こえ始めました。屋外に逃げるのも危険と思い、廊下の壁を背にして、静まるのを待ちました。生徒と職員は、全員、校庭に避難して無事でしたが、校舎の一部が使用できなくなってしまいました。群馬では、桐生が一番震度が大きかった(6弱)ようです。自宅は、いくつかの物が落ちて壊れた程度で、家屋は幸い無傷でした。

 翌日から、東京・福岡・広島と、連日の出張予定でしたが、急遽、すべて延期しました。当日は、地震のことよりも、その連絡に、いちばん気を遣いました。出張が延期になったので、翌々日、桐生駅構内の市民活動推進センターで開かれた「対話の会」(主宰:浅野)に参加できました。桐生駅は、だいぶ被害を受けましたが、センターは無事でした。両毛線を使って前橋から参加した人もいました。当然のことながら、話題は地震のことでしたが、親しい人との語らいは、しばしのストレス発散になりました。翌日から、計画停電などのため、両毛線が不通になりました。私は、足利短大でもカウンセラーをしていますが、ガソリン節約のため、自宅から15キロの道のりを、2週続けて自転車で出勤しました。

 私の立場では、いますぐには、被災された方への直接支援はできません。そこで、人的・物的な被害はない、あるいは少ないものの、少なからずメンタル面で影響を受けている全国の人たち(自分も含む)で支え合いたいと考え、Twitterを使って、オンライン「対話の会」を開いています。地震のあと、ひとの優しさの平均値が、少なからず上がったような気がします。この優しさを、ずっと保ち続けたいものです。

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