新千歳空港での日航機の誤滑走にみる確認エラー
先日、新千歳空港で、日航機の誤滑走というトラブルがあった。
新聞などでは、管制官からの指示内容を操縦士が「復唱」していなかったことが明らかになったと報じられている。
さらに、管制官が使った用語(離陸許可の時にしか使わないテークオフという用語)が不適切だったことや、悪天候による焦りがあったのではないかとの報道もある。
このブログでも何度か紹介したように、日本航空の社内では、「安全アドバイザリーグループ」からの「提言書」を受けて、復唱や確認の徹底が会社をあげて求められていたさなかであり、今回のようなトラブルはたいへん残念なことである。
なお、航空業界においては、復唱の徹底は、上記の「提言書」を待つまでもなく、以前から重要な業務上のルールの一つになっていたと聞いている。
しかし、本人は、どんなに注意を払っているつもりでも、どこかでエラーをおかしてしまうのが人間である。
このことを考えると、今回のようなトラブルを防ぐために、復唱をさらに徹底するのはもちろんのこと、万一、復唱を忘れた場合であっても、第二、第三の予防がなされるようなハード、ソフト両面での対策が必要であろう。
そして、それらの対策を講じていく過程においても、職場の環境や会議の進め方、伝達の方法など、どの段階であっても、「確認」を中心とした質の高いコミュニケーションが必須である。
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