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2006年6月10日 (土)

確認における着眼点/事実と気持ち

〈対話法〉の「確認型応答」では、「相手が言いたいことの要点」をとらえることの重要性が強調されていますが、相手の話のどこに焦点を当てるかによって、「確認」の言葉はずいぶんと違ってきます。

例として、まず下の文章を読んでみてください。

「明日は日曜日なので家でゆっくできるから楽しみです」

文章なら、このように書くこともありますが、これが話し言葉ですと、いくつかの語句が省略されて、以下のどれかになる場合が多いのではないでしょうか。

「明日は日曜日だね」
「明日は家にいるつもりです」
「明日はゆっくりできるなあ」
「明日は楽しみだぞ」
「明日は日曜日だから家にいるよ」
「明日は日曜日だから家でゆっくりしようかな」
「明日は日曜日なので楽しみだ」
「明日は日曜日なのでゆっくできるから楽しみです」
「明日はゆっくできるから楽しみだぞ」

たいていの場合、話し手にとって、「これは言わなくても相手に伝わるだろう」と思われる語句が省略されます。
そして、往々にして、「気持ち」を伝えたいのに「事実」だけ言ったり、「意思」を伝えたいのに「気持ち」だけにとどめておいたりということが起こります。
実際、話し手はそこまで意識していないことが多いでしょうが……。

一方で、私達が人の話を聞くときは、語句が省略されているいないに関らず、相手が何を言いたいのか、何を伝えたいのかを想像しながら受け止めています。

しかし、語句が省略されていることが原因で、時には大きな誤解が起こることがあります。

本来、これは、「言いたいことをきちんと言語化していない話し手の責任(?)」なのですが、そればかり言っていては始まらないので、聞き手も努力しようというのが、〈対話法〉における「確認型応答」のねらいの一つなのです。

その努力をするうえで、事実・考え・思い・気持ち・意思を区別できるかどうかが一つのキーポイントになります。

ここで、元の文章に若干の語句を補って分類すると下記のようになります。

明日は日曜日です;事実
家にいるつもり;意思
ゆっくりできる;思い
楽しみ;気持ち

「確認」をする場合、これらの言葉の中から、「相手が言いたいこと」を想像してみることが大切です。

こうして、「事実・考え・思い・気持ち・意思」の区別ができるようになると、コミュニケーション技術は大きく前進します。
もちろん、人間の心に関することなので、数学や物理学のように、その違いを厳密に区別できるようなものではありません。境目ははっきりしないこともあります。しかし、だいたいの区別はできるはずです。そして、この、「だいたいできる」ということが、意外と大きな違いになって現れてくるのです。

ところで、「想像」を入れると、さらに一歩進んで、仮に、相手が言葉にしていないことも「確認」できることになります。もし、確認の内容が違っていたとしても、気にすることはありません。「確認すること自体」に意義があるのですから……。

ですから、たとえば、

「明日は日曜日だね」

とだけ言われたときでも、想像を交えて、

「楽しみなんだね」

と「確認」することが可能なわけです。

もちろん、「確認」の言葉は、この一つに限られるものではありません。
そして、一般的に、「事実」だけでなく「気持ち」にも着目した確認が大切です。

注)ここでは、〈対話法〉を例にして事実と気持ちの区別について説明しましたが、これらは、もちろん、従来の「積極的傾聴」でも重視されてきたことです。

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コメント

おはようございます
・・・うん、うん

、「事実・考え・思い・気持ち・意思」の区別ができるようになると、コミュニケーション技術は大きく前進します。

区別かぁ~・・考えた事なかったなぁ~うん、うん

思いと気持ちの区別・・とても難しいですね

意識していく事で~分かるようになってくるかしらん


>>一般的に、「事実」だけでなく「気持ち」にも着目した確認が大切です。

そうですね~ これはとても大切な事ですよねぇ~


 相手の言葉をそのまま受け止める事は大きな誤解を生む事がありますよね

 介護の現場には、その点ではかなりポイントになります


たとえば・・「 あなたの事がキライなのよ・・」

普通なら・・そうなんだ・・思ってしまいますが

介護する立場になったら、それだけではいけないのです

 本当に相手が訴えたい事が「嫌い」ではない可能性が
あるからです

 それは、その言葉を出した時の状況判断が必要となりますよね

 食事を勧めていた時に 嫌いといわれたら
食事をむりやり勧めていた為に 嫌いと言われたかもしれない

 
 何か会話をしている時に 嫌いと言われたら
その会話の中で、相手に押し付けられてると、思わせる言葉が
あったかもしれない・・

 そこをどう、聞き出してあげれるかは、とても大切な事ですね

 相手がどう思っているか・・それを想像する力はとても
大切になるって事ですね

想像して終わるのではなくて、それを確認していく作業
 それが大切だと思いました~うん、うん


投稿: 猫飯 | 2006年6月11日 (日) 07時19分

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