« もう一度、「繰り返し」の是非について | トップページ | 自分の話も「傾聴」してもらうには »

2006年5月28日 (日)

メーリングリストでのトラブル対応における対話法

私が管理者をしていた、あるメーリングリストで、以前こんな経験をしたことがあります。

ある日、メンバーの一人であるSさん(ハンドルネーム)が、メーリングリストの運営方法について、意見を投稿しました。
その内容や書き方が肯定的・建設的なものなら、なんら問題なかったのですが、実際それとは正反対の否定的・攻撃的(本人の意図は違うのかもしれませんが、私にはそう感じられました)なものだったのです。

案の定、メーリングリストは険悪な雰囲気になりました。
Sさんが、「〜について、管理者に説明を求めたい」と書くので、私が冷静に丁寧に説明しましたが、「管理者は逃げている。そんな言い訳では、とうてい納得できない。だれもが納得できる説明を求める」と言うので、私はさらに知恵を絞って説明したのですが、一向に納得してくれません。
そのうち、他のメンバーまでもが論争に参加してきて、終いには収拾がつかなくなりました。

そもそも、「だれもが納得できる説明」というのは、ほとんど不可能なことでしょう。また、説明とか議論というものは、お互いに理解し合おうという気持ちが双方にないと、いくら言葉を尽くしても分かり合えないものでしょう。

困った私は、ふと、「これが〈対話法〉(またはカウンセリング)だったら、どのように進めるだろうか」と考えました。
〈対話法〉の基本は、相手の発言の内容から、相手が何を言いたいのかを受けとめて、それを相手に確認することです。

さて、攻撃的(?)な書き込みをしているSさんは、本当は何を言いたいのだろう。
そこで気付いたのが、Sさんは、

「このメーリングリストをより良くしたい」

という気持ちがあり、本当は、それを言いたいのではないかということでした。
そこで、さっそく私は、

「Sさんは、このメーリングリストを良くしようと思って、たくさんの発言をしているのですね」

というコメントを書き込みました。
すると、驚くことに、その後のSさんの発言が、急に建設的になったのです。

後から考えたのは、最初のSさんの攻撃的(?)な発言に触発されて、こちらが防衛姿勢になってしまい、その姿勢(Sさんには逃げと映った)がSさんを益々刺激してしまったのではないかということです。

メーリングリストで発生するトラブルには様々な原因があるので、「この言葉」を言えば必ず解決するといえるほど単純ではありません。
しかし、この経験から、〈対話法〉の原則(つまり傾聴)を優先した対応が多いに役立つのではないかと、私は改めて思いました。

参考になるブログ記事
ネット荒らし対策でも広がる『傾聴』の技
---ネット上のバーチャルな世界でも「傾聴」が注目されている---

 

|

« もう一度、「繰り返し」の是非について | トップページ | 自分の話も「傾聴」してもらうには »

コメント

トラックバックを有り難うございます。
学術的なブログですね。
今後とも宜しくお願い致します。

投稿: 大滝三千夫 | 2006年5月28日 (日) 22時09分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/99499/1973603

この記事へのトラックバック一覧です: メーリングリストでのトラブル対応における対話法:

« もう一度、「繰り返し」の是非について | トップページ | 自分の話も「傾聴」してもらうには »